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まず耳で確かめたいトーク
紹介本と会話の入口を、試聴前に選びやすいPOPとしてまとめました。
- 紹介本
- 坂の途中の家 / 角田光代
- 話題の入口
- 今日は、社会のひずみを見つめるミステリーを五冊紹介します。
- 聴きどころ
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トーク内容
導入
MC
今日は、社会のひずみを見つめるミステリーを五冊紹介します。
アシスタント
犯人探しだけでは終わらず、事件の背後にある家族、制度、孤立、情報社会の怖さまで考えさせる作品ですね。
MC
どれも重い題材を含みますが、物語としての牽引力があり、読んだあとに現実の見え方が少し変わる本を選びました。
選書基準
MC
今回は、謎解きの面白さに加えて、読者が安全な場所から事件を眺めていられなくなる作品を重視しました。
アシスタント
自分や身近な人が同じ状況に置かれたらどうするか、自然に考えてしまうタイプですね。
MC
重大なネタバレは避けて、それぞれの作品がどんな問題を照らしているかを中心に話します。
1冊目: 坂の途中の家
MC
一冊目は角田光代さんの『坂の途中の家』です。幼い娘を育てる里沙子が、乳幼児の虐待死事件を扱う裁判の補充裁判員に選ばれます。
アシスタント
裁判を追ううちに、遠い事件だったはずの出来事が、自分の暮らしと重なっていくんですよね。
MC
母親ならできて当然、家族なら支え合えて当然。そんな言葉の裏で、人がどれだけ孤立しているのかを見つめる心理小説です。
アシスタント
犯罪を扱いながら、読む側の判断の基準まで揺さぶってくる一冊です。
2冊目: ロスト・ケア
MC
二冊目は葉真中顕さんの『ロスト・ケア』です。高齢者介護の現場で起きた事件を通して、介護する人、される人、制度の隙間にある痛みを描きます。
アシスタント
単純な悪意だけでは説明できない事件だからこそ、読んでいて苦しくなります。
MC
正しさを口にすることはできても、その正しさが現実の苦痛を受け止めきれるのか。そこを鋭く問われます。
アシスタント
犯罪小説として読み進めながら、救うとは何かを考えざるを得ない作品です。
3冊目: スマホを落としただけなのに
MC
三冊目は志駕晃さんの『スマホを落としただけなのに』です。恋人がスマートフォンを置き忘れたことから、日常が見えない誰かに侵食されていきます。
アシスタント
怪しい場所ではなく、誰もが持っているスマホから始まる怖さがありますね。
MC
個人情報、写真、連絡先、SNSのつながり。便利な道具の中に、生活そのものが詰まっていることを思い知らされます。
アシスタント
現代的なサスペンスをテンポよく読みたい人にも、自分の端末管理を見直したい人にも刺さる一冊です。
4冊目: 護られなかった者たちへ
MC
四冊目は中山七里さんの『護られなかった者たちへ』です。異様な殺人事件の捜査が、社会制度に守られなかった人々の痛みへつながっていきます。
アシスタント
事件の謎と、救いが必要な人に届かなかった理由が重なっていく作品ですね。
MC
生活の苦しさ、孤立、支える側と支えられる側の断絶。制度はあるのに、なぜ人がこぼれ落ちてしまうのかが突きつけられます。
アシスタント
読後には、犯人当ての快感よりも、人が人を守るとはどういうことかという問いが残ります。
5冊目: 天使のナイフ
MC
最後は薬丸岳さんの『天使のナイフ』です。少年犯罪で妻を失った男性が、新たな事件に巻き込まれ、罰と更生の問題に向き合っていきます。
アシスタント
被害者遺族の怒りも、加害者のその後も、簡単に整理できない形で描かれます。
MC
更生とは何か、罰とは何か。被害者が納得できないまま時間だけが過ぎる時、社会は何を救い、何を置き去りにするのかが問われます。
アシスタント
重い題材ですが、ミステリーとしての牽引力があり、感情の置き場所が何度も揺さぶられる一冊です。
読み分け
MC
家族や母性の息苦しさを見つめたいなら『坂の途中の家』、介護と制度の限界を考えたいなら『ロスト・ケア』です。
アシスタント
身近なデジタル不安を味わうなら『スマホを落としただけなのに』、貧困や孤立を社会派ミステリーとして読みたいなら『護られなかった者たちへ』ですね。
MC
そして、少年犯罪と更生の問題に深く入りたいなら『天使のナイフ』。
アシスタント
どれも軽い読書ではありませんが、物語だからこそ考え続けられるテーマがあります。
まとめ
MC
今回は、社会のひずみを見つめるミステリーを五冊紹介しました。
アシスタント
事件の答えを追いながら、その奥にある見えにくい苦しさへ近づいていく作品ばかりでした。
MC
読み終えたあとにすっきりするというより、問いが残るミステリーです。
アシスタント
骨太な読書をしたい時に、気になるテーマから選んでみてください。