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時計館の殺人 表紙

時計館の殺人

2026年5月27日 更新

今日は、綾辻行人さんの『時計館の殺人』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
大がかりな館の謎と濃密な長編ミステリーに浸りたい時
刺さるポイント
百を超える時計に満ちた館で、十年前の死と現在の連続殺人が絡み合う
向いている人
重厚な本格ミステリーと幻想的な結末の余韻を味わいたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、綾辻行人さんの『時計館の殺人』をご紹介します。

本作は、「館」シリーズの第五作にあたる長編ミステリーです。舞台は、鎌倉の森の奥に建つ時計館。館の中には数多くの時計が置かれ、時間そのものが歪んでいるような独特の空気が漂っています。

物語の背景には、十年前にこの館で起きた少女の死があります。その出来事をめぐって、関係者のあいだには自殺、事故、病死といった不吉な影が続いていました。そして、時計館を訪れた人々の前で、現在の惨劇が幕を開けます。過去に何があったのか。館に刻まれた時間は、誰のために止まり、誰のために動き続けているのか。読み進めるほど、事件の背後にある感情が輪郭を持っていきます。

この作品の魅力は、スケールの大きな館の仕掛けと、悲しみを帯びた人間ドラマが両立しているところです。時計というモチーフは、単なる飾りではありません。時間、記憶、喪失、執着。そうしたものが、館の構造と事件の謎に深く関わっていきます。

長編らしく登場人物も多く、序盤は関係性を追いながら館の空気に慣れていく読書になります。そのぶん、事件が動き出してからは、過去の出来事、現在の行動、館に仕込まれた違和感が一気に意味を持ち始めます。読み応えのある謎を、腰を据えて追いたい時に力を発揮する作品です。

時計の音が絶えず聞こえてくるような舞台設定も印象的で、論理だけではない物語の余韻を残します。読み終えたあとも、館に流れていた時間の重さが残るはずです。

『時計館の殺人』は、第45回日本推理作家協会賞を受賞した、シリーズの中でも特に存在感の大きい一冊です。長めの物語にじっくり腰を据え、緻密な謎解きと幻想的な余韻の両方を味わいたい人におすすめです。

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