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流 表紙

2026年5月27日 更新

今日は、東山彰良さんの『流』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
台湾を舞台にした熱量のある青春小説を読みたい時
刺さるポイント
祖父の死の謎を追う少年の成長が、家族史と台湾の激動の記憶へつながっていく
向いている人
直木賞作品、歴史を背景にした青春小説、骨太な家族ドラマが好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、東山彰良さんの『流』をご紹介します。

この作品は、一九七〇年代の台湾を舞台にした、熱量のある青春小説です。主人公の葉秋生は、台北で暮らす十七歳の少年。無軌道で、けんかっ早く、将来のことをうまく考えられない彼の日常は、祖父が何者かに殺されたことで大きく揺らぎ始めます。なぜ祖父は死ななければならなかったのか。その問いは、家族の過去と、台湾という土地が背負ってきた歴史へつながっていきます。

物語の魅力は、事件の謎だけではありません。秋生の周囲には、荒っぽくも生き生きとした人々がいます。友人、家族、恋人、街の大人たち。それぞれが欲望や痛みを抱えながら、強い生命力で日々を生きています。青春小説らしい勢いがある一方で、背景には戦争、移民、政治の影があり、個人の成長と大きな歴史が自然に重なります。

読んでいると、台北の路地や食べ物の匂い、人々の声が近くに感じられます。秋生は、立派な主人公として最初から完成されているわけではありません。むしろ未熟で、乱暴で、何度も間違えます。それでも、祖父の死をきっかけに、自分がどこから来て、何を受け継いでいるのかを少しずつ知っていく姿に引き込まれます。

『流』は、直木賞受賞作として知られるだけでなく、家族の物語、成長の物語、台湾の歴史を映す物語として読み応えのある一冊です。勢いのある小説に身を任せたい時、異国の街の熱気と人間ドラマを同時に味わいたい時に向いています。

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