店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 少年時代の御手洗潔と、原点に近い密室の謎を楽しみたい時
- 刺さるポイント
- 完全な密室と赤い紙の謎を、小学生の御手洗潔が独自の観察で見抜いていく
- 向いている人
- 御手洗潔という人物の幼少期や、短めでも切れ味のある本格推理を読みたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、島田荘司さんの『Pの密室』をご紹介します。
この本は、名探偵・御手洗潔の幼少期に光を当てる短編集です。表題作では、完全な密室で起きた殺人、現場の周囲に足跡を残さず消えた犯人、床に敷き詰められた赤い紙という、ひとつひとつが不可解な状況が重なります。大人たちが行き詰まる中で、小学生の御手洗が事件の急所を見抜いていくところに、このシリーズならではの鮮烈さがあります。
もう一つの収録作も含め、本作の魅力は、御手洗潔が最初からただ者ではない人物として描かれることです。大人びた推理力だけでなく、周囲と少しずれた感覚、遠慮のない観察、事件の表面に惑わされない姿勢が、後の名探偵像へ自然につながっていきます。長大な大仕掛けの作品とは違い、比較的コンパクトに読める一方で、密室や不可能状況の見せ方はしっかり本格ミステリーです。
読者からは、御手洗潔の人物像を補う一冊として受け止められることが多い印象です。事件の謎を追う楽しさに加えて、彼がどのように世界を見ていたのか、なぜ普通の子どもとは違う反応をするのかが見えてきます。シリーズのファンには、過去の断片を知る面白さがありますし、短めの作品から入ってみたい人にも手に取りやすい構成です。
『Pの密室』は、御手洗潔シリーズを人物面から深めたい時に向いた一冊です。少年探偵ものの軽さではなく、幼い御手洗の異質さと、密室推理の切れ味を同時に味わえる作品です。
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