店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 前作以上に危険な推理ゲームの続きを追いたい時
- 刺さるポイント
- 殺人鬼であり名探偵でもある参加者たちが、さらに凝った謎と互いの思惑をぶつけ合う
- 向いている人
- 本格ミステリーのルールを逆手に取るシリーズものが好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
今日は、歌野晶午さんの『密室殺人ゲーム2.0』をご紹介します。
本作は『密室殺人ゲーム王手飛車取り』に続く、危険な推理ゲームを描いたシリーズ作品です。ネット上に集まる参加者たちは、またしても殺人事件を題材にした問題を出し合います。ただし、そこにあるのは作り物の謎ではありません。実際に起きた殺人を、知的な勝負の材料として差し出すという、前作同様に背筋の冷える構図です。
前作を知っている読者にとっては、あの異様な遊戯がどのように続くのかが大きな関心になります。参加者たちは名探偵のように推理しながら、同時に出題者として殺人を実行する側でもあります。その二重性が、本作でも強い緊張を生んでいます。謎を解くほど、登場人物たちの倫理の壊れ方が浮き彫りになるからです。
読みどころは、密室やアリバイといった本格ミステリーの要素が、より大がかりに組み合わされていくところです。単に不可能犯罪を並べるのではなく、ゲームの参加者同士の駆け引き、前作から続く不穏な余韻、そして読者の予想をずらす構成が重なっていきます。推理の切れ味と物語全体の仕掛けが、互いに支え合っている作品です。
一方で、シリーズ特有の悪趣味な魅力も濃くなっています。被害者の痛みを置き去りにして、謎の美しさだけを競う登場人物たちの姿は、読者を簡単には安心させません。だからこそ本作は、ミステリーを読むことの快楽と危うさを、より鋭く意識させます。
『密室殺人ゲーム2.0』は、第10回本格ミステリ大賞を受賞した作品です。前作の設定に惹かれた人はもちろん、推理小説のルールを極端な形で使い切る作品に触れたい人にもおすすめできる一冊です。
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