店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 本格ミステリーの論理と、超常めいた雰囲気の両方を楽しみたい時
- 刺さるポイント
- 霊媒という設定を正面から使いながら、最後にミステリーとしての見え方を大きく反転させる
- 向いている人
- どんでん返し、連続殺人、探偵役の魅力を味わいたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、相沢沙呼さんの『medium 霊媒探偵城塚翡翠』をご紹介します。
本作の中心にいるのは、死者の言葉を受け取ることができるという霊媒、城塚翡翠です。彼女と行動を共にする推理作家の香月史郎は、常識では説明しづらい翡翠の力を前にしながらも、事件の真相へ論理で近づこうとします。心霊と推理、一見相容れない二つの要素が組み合わさるところに、この作品の独特の緊張があります。
物語では、不可解な事件が連なり、翡翠の見たものが捜査の手がかりになっていきます。けれど、この作品が面白いのは、超常の力に頼りきるのではなく、それがミステリーとしてどう成立するのかを読者に考えさせるところです。霊媒の言葉は真実なのか。見えているはずのものに、見落としはないのか。読み進めるほど、信じていた前提が少しずつ揺らぎます。
城塚翡翠は、儚げで神秘的な雰囲気をまといながら、同時に読者の視線を巧みに誘導する存在でもあります。香月とのやりとり、事件ごとの不穏さ、連続殺人の影が重なり、物語は終盤に向けて大きく姿を変えていきます。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、雰囲気で読ませるオカルト風ミステリーでありながら、最後には本格ミステリーとしての驚きを用意した一冊です。仕掛けのある物語が好きな人に、特に向いています。
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