店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 一人の人生が社会の暗部へ落ちていく過程を、圧のあるミステリーで読みたい時
- 刺さるポイント
- 孤独死から始まる捜査が、貧困や無縁社会を巻き込みながら予測不能の真相へ進む
- 向いている人
- 重厚な社会派サスペンスや、人物の半生を追う長編に引き込まれたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、葉真中顕さんの長編ミステリー『絶叫』をご紹介します。
物語は、マンションで孤独死した女性、鈴木陽子の発見から始まります。刑事は彼女の足跡をたどり、平凡に生きるはずだった一人の女性が、なぜ社会の底へ追い込まれていったのかを探っていきます。
陽子の人生には、家族の崩壊、仕事の不安定さ、貧困、頼れる人を失っていく孤独が重なっていきます。彼女は何度もやり直そうとしますが、少しずつ選択肢を奪われ、やがて闇の深い場所へ近づいていきます。その過程は容赦なく、読む側にも息苦しさを残します。
本作の面白さは、社会派小説としての重さと、ミステリーとしての牽引力が同時に走っているところにあります。陽子の人生を追う章と、事件を調べる現在の時間が重なり合い、やがて孤独死の背後にある仕掛けが見えてきます。被害者なのか、加害者なのか。救われなかった人なのか、自分で道を選んだ人なのか。読み進めるほど、簡単には決めつけられなくなります。
『絶叫』は、後味の軽い作品ではありません。けれど、社会の片隅で声を上げられなかった人の人生を、物語として強く焼きつける力があります。重いテーマを避けず、最後まで読者を引っ張るサスペンスを求めている人におすすめしたい一冊です。
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