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笑うマトリョーシカ 表紙

笑うマトリョーシカ

2026年5月27日 更新

今日は、早見和真さんの『笑うマトリョーシカ』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
人の言葉や表情の裏にある操作と支配の怖さを味わいたい時
刺さるポイント
若き政治家と秘書の関係を追う取材の先で、誰が誰を操っているのかという疑念が深まる
向いている人
政治サスペンス、心理ミステリー、不穏な人間関係を読むのが好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、早見和真さんの『笑うマトリョーシカ』をご紹介します。

物語は、若くして注目を集める政治家と、そのそばにいる有能な秘書をめぐって動き出します。人を惹きつける言葉を持つ清家一郎と、彼を支える鈴木俊哉。表向きには理想的な二人に見えますが、取材をする女性記者は、清家の言葉や振る舞いにどこか空洞のような違和感を覚えます。彼は本当に自分の意思で話しているのか。それとも誰かの思惑をなぞっているだけなのか。疑念は、二人の過去へ向かっていきます。

タイトルのマトリョーシカは、開けても開けても別の顔が出てくる構造を思わせます。政治家、秘書、支援者、家族、過去の友人たち。それぞれが見せる顔の内側に、さらに別の顔が潜んでいる。読み進めるほど、操っている側と操られている側の境界が揺らぎ、真ん中にいるはずの人物の実体が見えにくくなっていきます。

本作は政治の世界を舞台にしていますが、扱っているのは権力だけではありません。誰かに認められたい気持ち、相手を自分の物語に組み込みたい欲望、自分の空っぽさを他人の言葉で埋めようとする危うさが描かれます。派手な陰謀劇というより、人間関係の奥にある支配の感触がじわじわ怖い作品です。

『笑うマトリョーシカ』は、真相を追うサスペンスでありながら、最後まで人の内面の読めなさを残す小説です。政治、メディア、友情、嫉妬が絡み合う不穏な物語を読みたい人におすすめしたい一冊です。

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