店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 雪山を舞台にした、スピード感のある娯楽ミステリーを読みたい時
- 刺さるポイント
- 盗まれた危険な生物兵器をめぐり、手がかりの少ない捜索がスキー場で二転三転する
- 向いている人
- 重すぎない東野圭吾作品や、映画的な展開のサスペンスが好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、東野圭吾さんの長編ミステリー『疾風ロンド』をご紹介します。
研究施設から、拡散すれば大きな被害をもたらす危険な生物兵器が盗まれます。犯人は巨額の身代金を要求しますが、交渉は思わぬ形で行き詰まり、残された手がかりは雪のスキー場で撮られた一枚の写真だけ。回収を命じられた研究員たちは、限られた情報を頼りに、広大なゲレンデへ向かうことになります。
この作品の魅力は、雪山という開放的な場所を舞台にしながら、どこに危険物が隠されているかわからない閉塞感を作っているところです。時間は限られ、関係者はそれぞれ事情を抱え、手がかりはすぐに途切れます。滑走、捜索、勘違い、偶然が重なり、事件はまっすぐ解決へ向かうのではなく、何度も向きを変えていきます。
東野圭吾さんの作品の中では、重厚な心理ミステリーというより、テンポのよい娯楽サスペンスとして読みやすい一冊です。専門的な題材は出てきますが、難しい説明で止まるよりも、次に何が起きるのかを追わせる力が強く、映像的な場面も多くあります。雪山の爽快さと、危険物をめぐる緊張感が同時に走るため、読み心地はかなり軽快です。
一方で、危機管理の甘さや組織の保身も事件を大きくしていきます。笑えるほど慌ただしい場面の裏に、人間の判断ミスが積み重なっていく怖さがある。重すぎない東野圭吾作品を探している人、スピード感のあるサスペンスを一気に読みたい人におすすめです。
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