店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 『バッテリー』の余韻を、別の少年の視点からもう一度味わいたい時
- 刺さるポイント
- 瑞垣俊二のまなざしを通して、才能に出会ってしまった者たちの焦り、執着、誇りが浮かび上がる
- 向いている人
- 野球小説、青春群像、勝負のあとに残る感情まで読みたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、あさのあつこさんの『ラスト・イニング』をご紹介します。
『ラスト・イニング』は、『バッテリー』の世界を別の角度から見つめる一冊です。中心になるのは、横手二中の瑞垣俊二です。原田巧と永倉豪のバッテリーに出会い、練習試合で強烈な印象を刻まれた横手二中の少年たち。その後に残った悔しさ、執着、もう一度勝負したいという思いが、瑞垣の視点を通して語られていきます。
瑞垣は、ただの脇役ではありません。門脇秀吾の幼なじみであり、チームの中で参謀のように立ち回る人物です。冷静で皮肉も言える一方で、内側には簡単に言葉にできない熱を抱えています。彼の目から見ると、巧という存在はまぶしい才能であると同時に、人の進路や心を狂わせるほどの衝撃でもあります。
この作品の読みどころは、勝った負けたの先に残る感情です。試合は終わっても、少年たちの中で勝負は終わっていません。あの一球をどう受け止めるのか。自分は何を賭けているのか。相手の才能を認めることと、自分の誇りを守ることがぶつかり合い、物語に独特の緊張感を生んでいます。
『ラスト・イニング』は、『バッテリー』を読んだ人にとっては余韻を深める後日譚であり、青春小説としては、才能に出会ってしまった者たちの物語です。勝負の熱さだけでなく、そのあとに胸に残るざらつきまで味わいたい人におすすめです。
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