店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 恋愛の切なさとミステリーの驚きを一緒に味わいたい時
- 刺さるポイント
- 余命の不安を抱える女性との交流が、やがて死の真相を追う物語へ反転する
- 向いている人
- 感情の余韻が残る医療ミステリーを読みたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、知念実希人さんの恋愛ミステリー 『崩れる脳を抱きしめて』をご紹介します。
物語は、広島から神奈川の病院へ実習に来た研修医、碓氷が、脳腫瘍を患う女性ユカリと出会うところから始まります。ユカリは外の世界に怯え、自分の未来を信じきれずにいます。碓氷もまた、過去の痛みを抱えたまま医師として歩こうとしており、二人は病院という限られた場所で少しずつ心を近づけていきます。
前半は、命の期限を意識せざるをえない女性と、彼女を見つめる若い医師の静かな交流が中心です。ところが、碓氷が実習を終えて広島へ戻ったあと、ユカリの死の知らせが届きます。その死には拭いきれない違和感があり、彼はもう一度、彼女の足跡をたどることになります。
この作品の魅力は、恋愛小説のような繊細な感情の流れが、後半でミステリーとして組み替えられていくところです。人を好きになること、失うこと、記憶の中の相手を信じ続けること。その切なさが、真相に近づくほど別の意味を帯びていきます。
医療の現場を背景にしながら、病そのものよりも、病と向き合う人の心を丁寧に描いた一冊です。驚きと感動の両方を残す物語を読みたい人に向いています。
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