店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 患者の心に寄り添う医療ミステリーを読みたい時
- 刺さるポイント
- 研修医が各科を巡り、病だけでなく患者が抱える事情を解き明かしていく
- 向いている人
- あたたかい読後感の連作短編が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、知念実希人さんの連作医療ミステリー 『祈りのカルテ』をご紹介します。
主人公の諏訪野良太は、純正会医科大学附属病院で初期臨床研修に励む若い医師です。内科、外科、小児科、産婦人科など、さまざまな診療科を回りながら、彼は患者の病だけでなく、その奥に隠れた心の事情にも向き合っていきます。
搬送された女性の不可解な行動、治療を拒む患者、強い態度の裏に不安を隠した人たち。諏訪野の前に現れる患者は、それぞれに言葉にしきれない悩みを抱えています。カルテに記された情報だけでは見えないものを、諏訪野は会話や小さな違和感から丁寧に拾い上げていきます。
本作は、事件を解く快感だけでなく、医師が人の人生にどう触れるのかを描く物語でもあります。謎の答えが見つかるたびに、患者が隠していた痛みや願いが浮かび上がり、医療の現場にある厳しさと優しさが同時に伝わってきます。
短編連作として読みやすく、各話ごとに違う診療科の空気が味わえるのも魅力です。大きな事件よりも、人の心に静かに届く謎解きを楽しみたい人にすすめたい一冊です。
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