本文へスキップ
平和の芽 表紙

平和の芽

2026年5月27日 更新

今日は、横山秀夫さんの『平和の芽』をご紹介します。

試し聴きする Amazonで見る

店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
戦争と平和を、ひとりの人生の歩みから考えたい時
刺さるポイント
被爆者・沼田鈴子さんの経験と、語り継ぐことへの決意をたどる
向いている人
横山秀夫さんの初期ノンフィクションや、平和学習につながる本を読みたい人に

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、横山秀夫さんの『平和の芽』をご紹介します。

副題は「語りつぐ原爆・沼田鈴子ものがたり」です。広島で被爆し、片足を失った沼田鈴子さんの人生をたどりながら、原爆が一人の人間に何を残したのかを伝える作品です。横山秀夫さんといえば警察小説の印象が強いですが、この本では、記録文学に近いまなざしで、戦争の被害と、その後を生きる人の時間を見つめています。

物語の中心にあるのは、被爆の瞬間だけではありません。その後に続く長い人生です。体に残る傷、婚約者を失った痛み、周囲の無理解や差別、心が荒れてしまう日々。そうした苦しみの中で、沼田さんはやがて、被爆したアオギリの木が芽を吹く姿に出会います。焼けた街に残った命のしるしが、彼女の中で少しずつ意味を持ち始めます。

この本の大切なところは、平和を抽象的な言葉だけで語らないことです。何が起きたのか、失われたものは何か、それでも人はどう立ち上がるのか。子どもにも届くような語り口でありながら、扱っている内容はとても重いものです。だからこそ、読み進めるほど、戦争を知識として学ぶだけではなく、誰かの人生に起きたこととして受け止める感覚が残ります。

『平和の芽』は、横山秀夫さんの作品の中では異色ですが、失われたものに目を凝らし、声になりにくい思いをすくい取る姿勢は、後の作品にも通じています。戦争、被爆、語り継ぐこと、そして希望という言葉を簡単に使わない強さ。そうしたテーマを静かに考えたい人に読んでほしい一冊です。

Nearby Shelves

近くの棚を見る

似た読み味と関連トーク

近くの棚: 似た読み味の本

4冊を棚から抜粋

Discover More

この本から広げて探す

テーマ・悩み・著者から次の一冊へ

もっと本を探す

近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。

SNSへの共有

この本をシェアする

あなたへの次のおすすめ

Books / Talks