店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 家族という近い関係ほど見えない秘密を、じっくりほどきたい時
- 刺さるポイント
- 停電の夜に現れた青年をきっかけに、家族それぞれの隠しごとが照らされていく
- 向いている人
- 家族小説と心理ミステリーを同時に味わいたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、辻堂ゆめさんの家族ミステリー 『ふつうの家族』をご紹介します。
この作品の舞台は、湘南に暮らす桜石家です。外から見れば、特別な事件も問題もなさそうな、ごく普通の家族。けれど、嵐による大停電の夜、玄関先で高熱を出した若い男が倒れていたことで、その日常は大きく揺らぎます。男を家に招き入れたのは家族の誰かなのか。なぜそんなことをしたのか。暗闇の中で疑念が広がるにつれ、それぞれが抱えていた秘密が少しずつ表に出てきます。
本作が描くのは、家族だから何でもわかっている、という思い込みの危うさです。父にも母にも、兄にも妹にも、口にできなかった事情があります。互いを大切に思っていないわけではないのに、近すぎるからこそ見えなくなるものがある。物語は、突然現れた青年の正体を追うミステリーとして進みながら、家族の中に蓄積していた小さな嘘や遠慮を丁寧に照らしていきます。
読みどころは、事件の謎と家族それぞれの人生が絡み合う構成です。誰が何を隠しているのかという緊張感がありつつ、単に犯人を探す話には留まりません。時代の変化、働き方、親子の期待、夫婦の距離など、令和の家庭が抱える現実的な問題が物語の奥に流れています。
家族小説として読めば身近な痛みがあり、ミステリーとして読めば少しずつ真相へ近づく面白さがあります。身近な相手ほど打ち明けられない思いがあると感じる人に、静かに刺さる一冊です。
Nearby Shelves
近くの棚を見る
近くの棚: 似た読み味の本
Discover More
この本から広げて探す
もっと本を探す
近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。