店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 学校に潜む噂と悪意が絡むホラーを読みたい時
- 刺さるポイント
- 呪いの席に座った転入生への嫌がらせが、教室の閉塞感と人間の怖さを浮かび上がらせる
- 向いている人
- 学園ホラー、いじめを扱うサスペンス、後味のざらつく物語が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、山田悠介さんの『あそこの席』をご紹介します。
主人公の瀬戸加奈は、転校先の教室で一つの席に座ります。ところが、その席は生徒たちから「呪いの席」と呼ばれていました。過去にその席へ座った生徒たちは、学校を去ったり、心を追い詰められたりしたという噂があります。加奈は最初、周囲の視線に戸惑うだけでしたが、やがて無言電話や不気味な写真など、嫌がらせは日を追うごとに激しくなっていきます。
本作は、学校という逃げ場の少ない空間を舞台にしたホラーです。怖さの中心にあるのは、超自然的な呪いだけではありません。クラスメイトの沈黙、噂を信じる空気、誰かを標的にしていく集団の気配が、加奈をじわじわと追い詰めます。読者は、席そのものに何があるのかを気にしながら、同時に人間の悪意の方が恐ろしいのではないかと感じることになります。
読みどころは、日常の教室が少しずつ異常な場所へ変わっていく過程です。席替えや転校生という身近な題材から始まるため、恐怖の入口が近く感じられます。加奈が孤立し、妹にまで被害が及ぶことで、ただの噂では済まない緊張が高まっていきます。
『あそこの席』は、学園ホラーらしい読みやすさと、心理サスペンスの不快な圧迫感をあわせ持つ一冊です。怪談のような始まりから、人が人を追い詰める怖さへ踏み込む物語を読みたい人に向いています。
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