店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 一度あきらめた好きなことに、もう一度手を伸ばす青春小説を読みたい時
- 刺さるポイント
- 吹奏楽から距離を置こうとした美由が、新しい友人との出会いで自分の気持ちを見つめ直していく
- 向いている人
- 部活小説、音楽のある青春、女の子の心の揺れを描く物語が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、あさのあつこさんの『アレグロ・ラガッツァ』をご紹介します。
物語の主人公は、高校に入学した相野美由です。美由は、もう吹奏楽部には入らないと心に決めています。好きだったものから距離を置こうとする気持ちには、過去の経験や、自分でもうまく整理できない痛みがあります。けれど、新しい学校で出会う久樹さんや菰池くんたちとの関わりが、美由の心を少しずつ揺らしていきます。
タイトルにある「アレグロ」は、音楽の速度を示す言葉です。その言葉の通り、物語には軽やかさと勢いがあります。ただし、主人公の心は最初から前向きに跳ねているわけではありません。もうやらないと決めたはずのことが気になってしまう。誰かの明るさに救われる一方で、自分の弱さを見られるのが怖い。そんな十六歳の揺れが、にぎやかな学校生活の中に丁寧に描かれています。
部活や音楽は、この作品で単なる舞台装置ではありません。音を合わせることは、人と呼吸を合わせることでもあります。美由が再び自分から手を伸ばしていく過程には、好きなものを好きだと言う勇気と、新しい関係に飛び込む不安が重なっています。
『アレグロ・ラガッツァ』は、挫折やためらいを抱えたまま、新しい季節へ入っていく青春小説です。吹奏楽や部活ものが好きな人はもちろん、一度離れたものにもう一度向き合う物語を読みたい人にもおすすめです。
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