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まず耳で確かめたいトーク
紹介本と会話の入口を、試聴前に選びやすいPOPとしてまとめました。
- 紹介本
- 存在のすべてを / 塩田武士
- 話題の入口
- 誘拐事件を起点にしたミステリーですが、読み進めるほど、人の時間そのものを描く物語だと感じます。
- 聴きどころ
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導入
MC
今日は塩田武士さんの『存在のすべてを』を取り上げます。
アシスタント
誘拐事件を起点にしたミステリーですが、読み進めるほど、人の時間そのものを描く物語だと感じます。
MC
謎を追う緊張感と、失われたものを見つめ直す人間ドラマが重なった、読み応えのある長編です。
あらすじ
MC
物語の出発点は、平成三年に起きた誘拐事件です。
アシスタント
当時警察担当だった新聞記者の門田が、旧知の刑事の死をきっかけに、過去の事件を改めて追い始めます。
MC
再取材の先で浮かび上がってくるのが、事件の被害者の現在と、ある写実画家の存在です。
アシスタント
事件の真相を知りたいという推進力がありながら、それだけでは終わらない広がりがありますね。
再取材が開く物語
MC
この作品の面白さは、過去の事件をもう一度調べるという行為にあります。
アシスタント
時間が経ったからこそ話せることもあれば、時間が経っても触れられない痛みもある。取材する側の責任が重く描かれています。
MC
真相に近づくほど、事実を明らかにすることが必ずしも救いになるとは限らないと感じさせられます。
アシスタント
調べる、聞く、書く。その一つひとつが、他人の人生に踏み込む行為なんですよね。
事件の影にある人生
MC
誘拐事件は大きな出来事ですが、この小説は事件そのものだけを見ていません。
アシスタント
被害者、家族、捜査に関わった人、報道した人。それぞれの人生に、長く影が落ちていることが伝わってきます。
MC
三十年という時間の重みが効いていますよね。事件が終わっても、人の中では終わらないものがある。
アシスタント
だからミステリーとしての緊張感と、人生を見つめる静けさが両立しているんだと思います。
写実画が持つ意味
MC
もう一つ印象的なのが、写実画家の存在です。
アシスタント
絵を描くことが、単なる職業や趣味ではなく、誰かを見つめ続ける行為として描かれています。
MC
記録すること、描くこと、残すこと。それが事件の解明とは別の形で、人を支えていくんですよね。
アシスタント
失われた時間を完全に取り戻すことはできない。それでも、存在をまるごと受け止めようとする姿勢が胸に残ります。
おすすめしたい人
MC
社会派ミステリーが好きな人にはもちろん、人間ドラマとしてじっくり読みたい人にもおすすめです。
アシスタント
派手などんでん返しだけを求めるより、少しずつ事実と感情が積み上がっていく長編を味わいたい人に合いますね。
MC
新聞記者の視点、事件の関係者の記憶、絵をめぐる描写が重なって、読後に大きな余韻を残します。
アシスタント
重い題材ですが、最後まで読ませる力のある作品だと思います。
まとめ
MC
『存在のすべてを』は、未解決事件の真相を追いながら、人が失った時間と向き合う物語でした。
アシスタント
事実を知ること、誰かを見つめること、存在を受け止めること。その意味を静かに考えさせてくれます。
MC
読み応えのあるミステリーと、深い人間ドラマの両方を求める方におすすめです。
アシスタント
今日はありがとうございました。