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ゼロの焦点 表紙

ゼロの焦点

2026年5月27日 更新

今日は、松本清張さんの『ゼロの焦点』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
夫の失踪から戦後社会の影へ降りていく社会派ミステリーを読みたい時
刺さるポイント
新婚間もない妻が夫の足跡を追うほど、別の名と過去が浮かび上がっていく
向いている人
旅情、サスペンス、人間の秘密が静かに絡み合う清張作品を読みたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、松本清張さんの『ゼロの焦点』をご紹介します。

物語は、新婚まもない夫の失踪から始まります。夫は前任地での引き継ぎに行くと言い残したまま戻らず、妻の禎子はその行方を追って北陸へ向かいます。ところが、夫には妻の知らない別の名があり、過去をたどるほど、戦後の混乱期に押し隠されていた人間関係と秘密が見えてきます。

本作の魅力は、派手な探偵役が事件を一気に解くのではなく、一人の妻が不安と疑念を抱えながら手がかりを集めていくところにあります。金沢や能登へ向かう旅の寒々しい風景が、夫の不在と、真相に近づく怖さをいっそう濃くしています。行方不明の謎は、やがて個人の秘密だけでなく、戦争の傷跡と社会のまなざしに結びついていきます。

読者の印象としても、サスペンスの緊張感に加えて、登場人物が過去を隠さなければならなかった事情に重みを感じる作品です。古い時代の物語でありながら、人が社会の中で別の顔を持たざるを得ない怖さは、今読んでも十分に伝わってきます。

『ゼロの焦点』は、『点と線』と並んで語られることの多い松本清張さんの代表作です。社会派ミステリーの入口としても読みやすく、旅情と不安が静かに重なるサスペンスを求めている人におすすめです。

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