店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 現実離れした事件を、御手洗潔の推理で軽やかにほどきたい時
- 刺さるポイント
- UFO騒動めいた死体発見と、追い詰められた人間の行動が対照的な二つの中編で描かれる
- 向いている人
- 御手洗潔シリーズを短めの作品で読みたい人、奇妙な事件の入口が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、島田荘司さんの『UFO大通り』をご紹介します。
本作は、御手洗潔シリーズの中編を収めた一冊です。表題作では、鎌倉の住宅街で、白い布を巻きつけ、ヘルメットやゴム手袋を身につけた奇妙な死体が見つかります。近くに住む老女は、宇宙人の戦争を見たと語り、事件はまるでUFO騒動のような不穏さを帯びていきます。常識では受け止めにくい状況が、御手洗の推理によってどのように現実の事件へ引き戻されるのかが読みどころです。
もうひとつの収録作では、不可解な行動を取る人物をめぐり、離れた場所から事件を見抜こうとする御手洗の推理が展開されます。派手な舞台装置よりも、人が追い詰められた時に見せる行動の歪みが中心にあり、表題作とは違う緊張感があります。どちらの作品も、奇妙な入口から始まりながら、最後には人間の事情へ近づいていくところに島田作品らしさがあります。
長大な御手洗潔ものに比べると、構成はコンパクトです。そのぶん、事件の違和感が立ち上がるまでが早く、御手洗と石岡の距離感もつかみやすい一冊になっています。ありえないように見える出来事を、まずは面白がり、その後で論理の道筋を追う楽しさがあります。
『UFO大通り』は、シリーズの大作に入る前の寄り道としても、既読者が御手洗のひらめきを気軽に味わう作品としても向いています。奇妙な死体、噂、遠隔推理といった要素に惹かれる人におすすめです。
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