店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 復讐と正義の境界を、重い犯罪サスペンスとして読みたい時
- 刺さるポイント
- 法で裁かれなかった過去の罪と、殺人を代行する者の存在が交差していく
- 向いている人
- 社会派ミステリーの問題意識と、長編ならではの読み応えを求める人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、貫井徳郎さんの長編サスペンス『殺人症候群』をご紹介します。
物語では、複数の死亡事件の背後に、殺人を請け負う存在がいるのではないかという疑いが浮かび上がります。狙われているのは、かつて人の命を奪いながら、少年であったことや精神状態を理由に、法の裁きを十分に受けなかった者たちです。
警視庁の環敬吾は、特殊な任務を担うチームに調査を命じます。事件を追う側の視点に加え、大切な人を奪われた側の苦しみ、復讐を望む気持ち、そして法では割り切れない怒りが重なっていきます。読み進めるほど、単純に悪を倒せばよいとは言えない重さが迫ってきます。
この作品の核にあるのは、裁きとは何かという問いです。罪を犯した人間が制度の中で罰を免れた時、遺された人はどこへ怒りを向ければよいのか。復讐は理解できても、殺人は許されない。その当たり前の線引きが、登場人物たちの切実な痛みによって揺さぶられていきます。
『殺人症候群』は、症候群シリーズの第三弾であり、娯楽サスペンスとしての力強さと社会派ミステリーとしての問いを併せ持つ一冊です。長編の読み応えを求める人、正義という言葉の危うさまで見つめたい人に向いています。
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