店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 山奥の研究所で起こる、理詰めのクローズドサークルを読みたい時
- 刺さるポイント
- 橋を失った土井超音波研究所で、紅子たちが複雑な人間関係と死体の謎に向き合う
- 向いている人
- Vシリーズ後半の広がりと、研究施設を舞台にした森ミステリィを味わいたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、森博嗣さんの『六人の超音波科学者』をご紹介します。
本作は、Vシリーズ第七作にあたる長編ミステリーです。舞台は、山中深くにある土井超音波研究所。そこには六人の科学者が集まり、外界とは一本の橋でつながっています。瀬在丸紅子たち阿漕荘の面々は、研究所で開かれるパーティに招かれますが、やがて死体が発見され、さらに橋が爆破されたことで、現場は完全に閉ざされた空間へ変わっていきます。
読みどころは、いかにも本格ミステリーらしい孤立状況と、森博嗣さんらしい乾いた論理の重なりです。研究所、科学者、仮面をつけた人物、通信を断たれた山中の施設。道具立ては派手ですが、物語は大げさな恐怖よりも、状況を淡々と観察し、何が本当に起きたのかを切り分けていく知的な緊張で進みます。
紅子の推理は、感情の波に流されるよりも、相手の言葉や態度、現場の構造を冷静に見つめるところに強みがあります。一方で、七夏や林、練無たちの関係も事件の空気を複雑にし、謎解きだけではない人間模様が印象に残ります。Vシリーズを読んできた人ほど、登場人物たちの癖や距離感の変化を楽しめる一冊です。
『六人の超音波科学者』は、閉ざされた研究所という王道の舞台を、森ミステリィらしい硬質な会話とロジックで読みたい時に向いています。派手な驚きよりも、整然とした思考の流れに身を任せたい人におすすめです。
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