店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 便利な技術の裏側にある怖さを、エンタメとして一気に読みたい時
- 刺さるポイント
- DNA捜査システムが示した容疑者が、開発者自身だったところから物語が走り出す
- 向いている人
- 近未来サスペンスと逃亡劇のスピード感を楽しみたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、 東野圭吾さんの近未来サスペンス 『プラチナデータ』をご紹介します。
舞台は、国民の遺伝子情報を犯罪捜査に活用する巨大システムが実用化された社会です。警察庁の特殊解析研究所に所属する神楽龍平は、このDNA捜査システムの中心人物として、犯人特定の精度に強い自信を持っています。ところが、システムの開発者が殺され、その犯人を検索した結果、示されたのは神楽自身の名前でした。
追う側にいたはずの人間が、突然追われる側になる。この反転が、本作の大きな推進力です。神楽は自分の無実を証明するために逃げながら、システムがなぜ自分を指し示したのか、そして「プラチナデータ」と呼ばれる特別な情報が何を意味するのかに近づいていきます。
作品の読みどころは、スピード感のある逃亡劇だけではありません。遺伝子情報で人を管理できる社会は便利で合理的に見えますが、その裏には、誰が情報を持ち、誰が守られ、誰が切り捨てられるのかという不穏な問いがあります。科学技術が進んでも、使う人間の欲望や権力が変わらなければ、正義の道具は簡単に別の顔を持ってしまう。その怖さが、物語全体に緊張を与えています。
『プラチナデータ』は、難しい設定をエンターテインメントとして読ませる一冊です。映画的な展開、二転三転する真相、そして管理社会へのざらついた不安をまとめて味わいたい人におすすめです。
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