店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- SNSの正義感や情報拡散の怖さに、胸がざわついている時
- 刺さるポイント
- 無実を叫ぶほど疑われる逃亡劇の中で、現代社会の視線と自己認識が反転していく
- 向いている人
- スピード感のある社会派サスペンスと、最後まで疑い続ける読書体験を求める人
Reading Notes
読みどころメモ
今日は、浅倉秋成さんの 『俺ではない炎上』をご紹介します。
山縣泰介は、大手ハウスメーカーで働く営業部長。 仕事も家庭もそれなりに築いてきたはずの男が、ある日突然、女子大生殺害事件の犯人としてネット上に実名と写真をさらされます。 本人にはまったく身に覚えがないのに、拡散された情報はひとり歩きし、会社も友人も家族も、すぐには彼の言葉を信じてくれません。 泰介は追い詰められながら逃げ、同時に、誰が何のために自分を犯人に仕立てたのかを探っていきます。
この作品の読みどころは、炎上という言葉の軽さに対して、そこに巻き込まれた人間の恐怖があまりにも重いところです。 画面の向こうで誰かを裁く人々、断片的な情報だけで作られる「正しい怒り」、そして自分には関係ないと思っていた社会の暴力。 泰介の逃亡は、事件の真相を追うミステリーであると同時に、本人がこれまで見てこなかった自分自身の姿と向き合う時間にもなっていきます。
浅倉作品らしく、複数の視点が少しずつずれながら重なり、読者の判断も何度も揺さぶられます。 誰が嘘をついているのか、何が本当なのかを追う緊張感がありながら、ただのネット犯罪サスペンスにとどまらず、家族や仕事、世代間の価値観まで物語に組み込まれているのが印象的です。
スピード感のある逃亡劇が好きな人、SNS時代の怖さを扱った物語を読みたい人に向いています。 読み終えたあとには、正義感で押した「共有」や、何気なく信じた噂の重さを、少し違う角度から考えたくなる一冊です。
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