店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 昔話や寓話を、未来的な皮肉で読み替えたい時
- 刺さるポイント
- なじみのある教訓が、時代や技術の変化によって別の意味を帯びていく
- 向いている人
- 短く読みやすい話の中に、社会や人間へのひねりを求める人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、星新一さんのショートショート集『未来いそっぷ』をご紹介します。
本作は、昔から語り継がれてきた寓話や教訓を、星新一さん流の未来的な発想で読み替える作品集です。題名の「いそっぷ」が示すように、短い物語の中に人間の癖や社会のからくりが込められています。ただし、そこにある教訓は昔話のようにまっすぐではありません。時代が変わり、技術や価値観が変わることで、正しさや愚かさの見え方も変わっていきます。
星新一さんの短編は、説明を重ねずに、ひとつの状況を差し出します。便利な装置、奇妙な制度、不思議な商品。そうしたものが登場すると、登場人物たちはすぐに自分に都合よく使おうとします。その先に待っているのは、笑える結末でありながら、どこか痛いところを突く結末でもあります。
読みどころは、古い寓話と新しい社会風刺が自然につながっているところです。物語は短く、読み口も軽いのに、扱っているのは欲望、効率、流行、権力、思い込みといった普遍的なものです。未来を描いているようで、実は人間の変わらなさを描いているところに面白さがあります。
『未来いそっぷ』は、星新一作品の寓話性を楽しみたい人にぴったりの一冊です。子どものころに読めば不思議な話として、大人になって読めば社会の皮肉として味わえます。短編ごとに小さな驚きがあり、読み終えたあともいくつかの結末が頭に残る作品集です。
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