店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- ニューヨークの摩天楼を舞台にした、映画的な本格ミステリーを読みたい時
- 刺さるポイント
- 大女優の告白から、過去の不可能犯罪と高層建築をめぐる謎が浮かび上がる
- 向いている人
- 若き日の御手洗潔、海外舞台、クラシカルで壮大な謎解きが好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、島田荘司さんの『摩天楼の怪人』をご紹介します。
本作は、ニューヨークの摩天楼を舞台に、若き日の御手洗潔が巨大な謎へ挑む長編です。物語は、往年の大女優が高層階の部屋で、半世紀近く前に関わったという不可能犯罪を語るところから動き出します。彼女がいたのは地上から遠く離れた階。けれど事件が起きたのは別の場所で、常識的には犯行が成立しない。その告白の奥には、建築、映画、過去の死、そして「怪人」と呼びたくなる存在の影が重なっています。
読みどころは、舞台の大きさと謎の見せ方です。高層ビル、時計塔、古い映画の気配、華やかな世界の裏にある孤独が、クラシカルなミステリーの雰囲気を作っています。島田荘司さんらしい大胆な不可能犯罪でありながら、単にトリックだけを追う作品ではありません。都市そのものが巨大な舞台装置になり、人々の過去がそこに刻まれているように感じられます。
若い御手洗潔の姿も魅力です。後年のシリーズで見せる自由奔放さや鋭さの原型があり、異国の事件を前にしても、彼は奇妙なものを奇妙なまま放置しません。証言、建物の構造、人間関係のひずみをつなぎながら、派手な謎の奥にある筋道を探っていきます。
『摩天楼の怪人』は、海外を舞台にした大作ミステリーを読みたい時に向いています。映画的な情景、古典的な不可能犯罪、御手洗潔の若き日の推理をまとめて味わえる一冊です。
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