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リベルタスの寓話 表紙

リベルタスの寓話

2026年5月27日 更新

今日は、島田荘司さんの『リベルタスの寓話』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
国際的な題材と本格ミステリーの奇想をまとめて読みたい時
刺さるポイント
ボスニアの凄惨な事件と、仮想世界のような構図が御手洗潔の推理でつながっていく
向いている人
重い社会背景を含むミステリーや、現代的な題材を扱う御手洗潔作品を読みたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、島田荘司さんの『リベルタスの寓話』をご紹介します。

本作は、御手洗潔が国際的な事件に向き合う中編集です。表題作では、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで起きた凄惨な殺人事件が物語の中心になります。遺体の状態はあまりに異様で、容疑者には強いアリバイがある。さらに、現実の事件と仮想世界のような構図が重なり、何が事件の本質なのかがつかみにくいまま物語は進んでいきます。

この作品は、御手洗潔シリーズの中でも現代的で重い題材を扱っています。民族紛争の記憶、戦争が残す傷、ゲームやネットワーク的な世界の感覚が、単なる背景ではなく謎の構造に関わってきます。読んでいて軽快さだけを求める作品ではありませんが、現実の痛みと、ミステリーとしての大胆な発想が同時に立ち上がるところに強い個性があります。

収録作には、身体の一部をめぐる奇妙な事件を扱う中編もあり、こちらもまた、不可能に見える状況を御手洗が別の角度から読み替えていきます。どちらの作品も、事件の外見は刺激が強い一方で、真相へ向かうほど人間の歴史や恐怖に触れていく感触があります。

『リベルタスの寓話』は、御手洗潔シリーズの中でも、社会的な重さと本格推理の奇想を同時に味わいたい人に向いた一冊です。派手な謎だけでなく、その背後にある現代の不安まで読ませる作品です。

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