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ラスト ワン マイル 表紙

ラスト ワン マイル

2026年5月27日 更新

今日は、楡周平さんの物流ビジネス小説 『ラスト ワン マイル』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
巨大プラットフォームに対抗する現場の知恵と意地を読みたい時
刺さるポイント
宅配会社と新興IT企業の利害衝突から、物流の価値を問い直す熱い展開が生まれる
向いている人
物流、ネット通販、ビジネスモデルの攻防を扱うお仕事小説が好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、楡周平さんの物流ビジネス小説 『ラスト ワン マイル』をご紹介します。

物語の主人公は、暁星運輸の広域営業部課長、横沢哲夫です。彼は、成長著しいネット通販企業「蚤の市」を草創期から支えてきました。しかし相手企業が急拡大するにつれ、関係は対等ではなくなっていきます。取引条件の変更を迫られ、宅配会社は便利な下請けとして扱われる。そんな構図の中で、横沢たちは自分たちの仕事の価値を守るために動き出します。

本作が描く「ラスト ワン マイル」とは、商品が最終的に顧客へ届く最後の区間です。ネット通販の画面では見えにくいこの部分に、人手、時間、信頼、地域の動線が詰まっています。物語は、新興IT企業と宅配会社の対立を通して、誰が本当に顧客をつかんでいるのか、物流は単なるコストなのかという問いを投げかけます。

横沢たちの反撃は、暴力的な勝負ではなく、現場を知る者だからこそ考えられる新しいビジネスモデルによって進んでいきます。相手の勢いに押されながらも、顧客、店舗、配送網をどう結び直すかを考え抜く過程には、仕事小説らしい知的な面白さがあります。苦しい交渉や社内の不安も描かれるため、勝負の高揚感だけでなく、現場で働く人の責任の重さも伝わってきます。

ネット通販が当たり前になった今読むと、より身近に感じられる作品です。便利さの裏側を支える人たちの視点から、ビジネスの主導権とサービスの本質を考えさせてくれる一冊です。

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