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この気持ちもいつか忘れる 表紙

この気持ちもいつか忘れる

2026年5月27日 更新

今日は、住野よるさんの小説『この気持ちもいつか忘れる』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
変わっていく気持ちの痛みと、それでも消えない熱を味わいたい時
刺さるポイント
退屈を抱えた少年と異世界の少女の出会いが、恋と記憶の揺らぎを鮮烈に描く
向いている人
青春恋愛に少し不思議な設定と音楽的な余韻を求める人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、住野よるさんの小説『この気持ちもいつか忘れる』をご紹介します。

主人公のカヤは、毎日をただ過ごしているだけのように感じている高校生です。授業も友人関係も、目の前にあるものはどこか退屈で、心が強く動く瞬間を見つけられずにいます。そんな彼が十六歳の誕生日を前に出会うのが、別の世界に生きる少女チカです。彼女は姿のすべてを見せるわけではなく、爪や目の光だけでカヤの前に現れます。二人は夜ごとに言葉を交わし、自分たちの世界に奇妙なつながりがあることに気づいていきます。

この作品の魅力は、恋が始まる高揚だけでなく、その気持ちが変質していく怖さまで見つめているところにあります。カヤにとってチカとの時間は、退屈な日常に突然差し込んだ強い光です。しかし、光が強いほど、その先にある喪失や変化も避けられません。好きだと思う気持ちは永遠に同じ形で残るのか。忘れることは裏切りなのか。それとも、忘れてしまうことまで含めて人は生きていくのか。物語は、そんな答えの出しにくい問いを青春の熱量で描いていきます。

音楽とのコラボレーションから生まれた作品でもあり、文章にはライブの余韻のような勢いがあります。会話のぶつかり合いや、内側からあふれる独白には、十代のままならなさと、感情をうまく扱えない切実さがにじみます。恋愛小説でありながら、恋だけに閉じない広がりがあり、変わりたくない気持ちと変わってしまう現実の間で揺れる人の姿が印象に残ります。

『この気持ちもいつか忘れる』は、鮮やかな出会いの物語であると同時に、忘れることを恐れる心に寄り添う一冊です。昔の自分が抱えていた熱を思い出したい時にも、今まさに消えそうな感情を抱えている時にも、深く刺さる青春恋愛小説です。

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