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告白撃 表紙

告白撃

2026年5月27日 更新

今日は、住野よるさんの小説『告白撃』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
大人になっても終わらない恋と友情のこじれを、軽やかに読みたい時
刺さるポイント
親友に告白させて失恋させたいという作戦が、三十歳目前の人間関係を揺らしていく
向いている人
青春の続きを生きる大人たちの恋愛群像劇を楽しみたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、住野よるさんの小説『告白撃』をご紹介します。

物語の中心にいる千鶴は、三十歳を目前に婚約した女性です。彼女には、学生時代からの親友で、自分への恋心をずっと隠している響貴がいます。千鶴が考えたのは、響貴に自分へ告白させ、きちんと失恋させるという奇妙な作戦でした。彼が過去の想いを引きずらずに前へ進めるようにしたい。そんな願いから始まった計画に、共通の友人である果凛も巻き込まれ、昔から続いてきた関係の形が思わぬ方向へ揺れ始めます。

この作品は、学生の青春ではなく、大人になってからも終わりきらない青春を描いています。仕事や結婚、将来のことを考える年齢になっても、恋や友情がきれいに整理できるとは限りません。千鶴の作戦は一見すると身勝手で、大人げないものです。けれど、その奥には、相手を大切に思うからこそ自分の手で区切りをつけたいという複雑な感情があります。善意と自己満足、優しさと残酷さが隣り合っているところに、この物語の面白さがあります。

登場人物たちは、ものわかりのいい大人のふりをしながら、心のどこかではまだ昔の自分を抱えています。言えなかった言葉、選ばなかった関係、ずっと続くと思っていた友人関係。その全部が、告白というひとつの出来事をめぐって少しずつ形を変えていきます。軽快な会話で読ませながら、人と人の距離を決めることの難しさをしっかり残す作品です。

『告白撃』は、恋愛小説であり、友情小説であり、大人になった後の青春小説でもあります。過去を笑い話にしきれない人に、少し痛くて、でも前向きな余韻を残してくれる一冊です。

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