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奇想、天を動かす 表紙

奇想、天を動かす

2026年5月27日 更新

今日は、島田荘司さんの『奇想、天を動かす』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
社会派の重みと本格ミステリーの大胆な奇想を同時に読みたい時
刺さるポイント
消費税をめぐる小さな事件が、三十年以上前の巨大な謎へつながっていく
向いている人
吉敷竹史シリーズに触れたい人、弱者へのまなざしがある推理小説を読みたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、島田荘司さんの『奇想、天を動かす』をご紹介します。

物語は、消費税が導入されて間もない時期の、わずかな金額をめぐる事件から始まります。女性店主が殺され、逮捕された老人は黙秘を続けます。一見すると小さな衝突の末に起きた事件のように見えますが、警視庁捜査一課の吉敷竹史が捜査を進めるうちに、その背後には三十年以上前から続く深い傷と、常識では測れないほど大きな謎が見えてきます。

この作品は、島田荘司さんの吉敷竹史シリーズを代表する一冊として読まれることの多い作品です。御手洗潔シリーズのような天才探偵の鮮烈なひらめきとは違い、吉敷は足を使い、人の話を聞き、黙っている者の痛みを見逃さない刑事として描かれます。事件の構図には社会のひずみや弱い立場の人々の孤独があり、単なるトリック当てでは終わらない苦みがあります。

それでも、作品の核にあるのはやはり本格ミステリーの大胆な発想です。日常的で小さな事件から、どうしてここまで巨大な構図へたどり着くのか。タイトル通り、奇想が物語全体を動かしていく感覚があります。現実の重さと、ほとんど神話的にも見える仕掛けが同居しているため、読み進めるほど作品の幅の広さが見えてきます。

『奇想、天を動かす』は、社会派ミステリーと本格推理の両方を読みたい人に向いています。派手な探偵役よりも、事件に関わる人々の生活や痛みに寄り添う刑事の物語が好きな人、そして最後には大きな驚きも欲しい人におすすめしたい一冊です。

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