店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 科学の力と復讐心がぶつかる、重めのガリレオ長編を読みたい時
- 刺さるポイント
- 湯川の後輩である青年の企みが、事件の真相と科学者としての責任を浮かび上がらせる
- 向いている人
- 謎解きだけでなく、師弟関係や社会的な怒りの物語に引き込まれたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、東野圭吾さんのガリレオシリーズ『禁断の魔術』をご紹介します。
本作は、湯川学の後輩にあたる青年、古芝伸吾をめぐって進む長編ミステリーです。伸吾はかつて物理に強い関心を持っていましたが、姉の死をきっかけに大学を離れ、町工場で働くようになります。やがて、あるフリーライターの殺害事件と、政治家をめぐる疑惑がつながりはじめ、湯川は伸吾が危うい計画に近づいていることに気づきます。
ガリレオシリーズらしく、事件の鍵には科学的な仕掛けがあります。ただし、この作品で強く残るのは、仕掛けの鮮やかさよりも、それを使おうとする人間の痛みです。知識や技術は、本来なら未来を開く力です。けれど、怒りや絶望に飲み込まれたとき、それは誰かを傷つけるための力にも変わってしまいます。
湯川にとって伸吾は、ただの容疑者候補ではありません。才能を知り、可能性を信じた相手だからこそ、彼を止めることには特別な重さがあります。捜査の緊迫感と、師弟にも似た関係の切なさが重なり、シリーズの中でも感情の温度が高い一冊になっています。
科学ミステリーの面白さに加えて、社会への怒り、喪失、復讐の危うさをじっくり読みたい人におすすめです。謎が解ける快感だけで終わらず、人は正しさを掲げながらどこまで踏み越えてしまうのかを考えさせる作品です。
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