店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 自然の中で働く人々の暮らしに触れ、肩の力を抜いて元気をもらいたい時
- 刺さるポイント
- 林業の厳しさと村の大らかさが、都会育ちの青年を少しずつ変えていく
- 向いている人
- お仕事小説、田舎暮らしの物語、成長譚が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、三浦しをんさんの『神去なあなあ日常』をご紹介します。
主人公の平野勇気は、高校を卒業したものの、特にやりたいことが見つからないまま日々を過ごしていた青年です。そんな彼が、周囲の思惑に押し流されるように、三重県の山奥にある神去村へ送り込まれます。携帯電話も思うように通じない山深い土地で待っていたのは、林業という未知の仕事と、個性の強い村人たちとの暮らしでした。
最初の勇気は、山仕事の厳しさにも、村の距離感にも戸惑ってばかりです。木を育て、伐り、山を守る仕事は、力任せでは成り立ちません。天候を読むこと、道具を扱うこと、先輩たちの言葉を聞くこと、そして自然の前では人間の都合が通じないと知ること。その積み重ねのなかで、勇気は少しずつ自分の足で立つ感覚を覚えていきます。
この作品には、三浦しをんさんらしい軽やかな笑いがあります。村の人々は大らかで、時に強引で、外から来た若者を遠慮なく巻き込みます。けれども、その騒がしさの奥には、山とともに生きる誇りや、長い時間をかけて受け継がれてきた暮らしの知恵があります。自然の美しさだけでなく、怖さや面倒くささまで描かれることで、神去村が生きた場所として立ち上がってきます。
『神去なあなあ日常』は、仕事を通じて人が変わる物語です。大きな夢を持てないまま始まった日々が、いつの間にかかけがえのない時間になっていく。そんな前向きな読後感を味わえる、明るく頼もしい青春お仕事小説です。
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