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凍てつく太陽 表紙

凍てつく太陽

2026年5月27日 更新

今日は、葉真中顕さんの戦中警察ミステリー『凍てつく太陽』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
戦時下の北海道を舞台にした重厚な警察ミステリーを読みたい時
刺さるポイント
軍事機密、連続毒殺、差別と国家権力が絡み合い、歴史の闇を照らしていく
向いている人
歴史小説の厚みとミステリーの推進力を同時に味わいたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、葉真中顕さんの戦中警察ミステリー『凍てつく太陽』をご紹介します。

舞台は昭和二十年、終戦が近づく北海道です。室蘭の軍需工場をめぐって不可解な毒殺事件が起こり、アイヌの出自を持つ特高刑事、日崎八尋が捜査に加わります。事件の背後には、戦局を左右するとされる軍事機密があり、八尋は国家権力、軍部、警察組織の思惑に翻弄されていきます。

この作品の魅力は、戦争末期の空気を背景にしながら、警察小説としての緊張感を失わないところにあります。連続する殺人、消えた容疑者、秘密兵器の噂、組織の中で交差する忠誠と裏切り。読み進めるほど、事件の謎と時代の不穏さが一体になって迫ってきます。

同時に、本作は差別や同化政策、国家に従うことの恐ろしさにも踏み込んでいます。八尋は特高刑事でありながら、出自によって見下される立場にも置かれています。彼が何を信じ、何に抗おうとするのか。その葛藤が、単なる謎解き以上の重みを物語に与えています。

『凍てつく太陽』は、歴史小説、冒険小説、警察ミステリーの要素が重なった大作です。ページ数は多いものの、事件が次々に展開し、戦時下の凍りついた空気の中で人間の正義が試されていきます。重厚な読み応えを求める人におすすめしたい一冊です。

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