店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 制約のある仕事から、創作の面白さがどう生まれるのか知りたい時
- 刺さるポイント
- 企業や媒体からの依頼条件を、短編小説やエッセイへ変えていく発想の跳躍
- 向いている人
- 朝井リョウの創作の裏側や、変化球の短編集を楽しみたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、 朝井リョウさんの作品集、 『発注いただきました!』についてお話しします。
この本は、朝井リョウさんがさまざまな依頼に応えて書いてきた短編やエッセイを集めた、少し変わった作品集です。通常の短編集と違うのは、各作品の前に「どんな発注を受けたのか」という条件が見えることです。テーマ、枚数、登場させるもの、媒体の目的。ふつうなら創作を縛りそうな条件が、ここでは物語を動かすための仕掛けになっています。
読みどころは、依頼に合わせて器用に書き分けていることだけではありません。むしろ面白いのは、求められた枠の中に、朝井リョウさんらしい人間観察や、自意識への鋭い視線がきちんと入り込んでいるところです。明るい企画のはずなのに、ふとした場面で人の見栄や寂しさが顔を出す。企業や媒体のために書かれた文章であっても、単なる宣伝では終わらず、短い読み物として後味を残します。
また、本書には創作の裏側をのぞく楽しさもあります。依頼という外から来た条件に、作家がどう反応し、どこで遊び、どこで本気を出すのか。その過程が見えるため、完成した作品だけを読む時とは違う距離で、書く仕事そのものを味わえます。お題に合わせているようで、最後にはお題のほうが朝井作品の一部になっている感覚があります。
朝井リョウさんの小説を読んできた人には、作家の別の顔が見える一冊です。仕事としての文章、依頼から始まる創作、そして制約があるからこそ生まれる自由を楽しめます。
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