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GO

2026年5月27日 更新

今日は、金城一紀さんの直木賞受賞作『GO』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
自分の居場所や属性に縛られず、外へ踏み出す物語を読みたい時
刺さるポイント
軽やかな語り口の奥で、差別、恋、友情、家族との距離がまっすぐぶつかる
向いている人
青春小説、社会派の物語、勢いのある一人称小説が好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、金城一紀さんの直木賞受賞作『GO』をご紹介します。

主人公の杉原は、在日コリアンの家庭に生まれ、民族学校から日本の高校へ進んだ少年です。父は元ボクサーで、家の中には乱暴な言葉も愛情も同じくらい濃く流れている。杉原は自分の出自を背負いながらも、そこに閉じ込められたくないと感じています。そんな彼が日本人の少女、桜井と出会い、恋に落ちることで、物語は大きく動き出します。

この小説の魅力は、重いテーマを扱いながら、語り口が驚くほど速く、明るく、挑発的なところにあります。国籍、民族、学校、家族、恋愛。どれも簡単には片づけられない問題ですが、杉原はそれらを正面からにらみ返し、ときには笑い飛ばし、ときには拳を握りしめながら、自分の言葉で世界を切り開こうとします。青春小説としての疾走感と、社会の境界線を問い直す鋭さが同時にあります。

杉原と桜井の関係も、ただ甘い恋愛としては描かれません。好きになることは、自分のことをどこまで話すのか、相手が何を知ったときにどう変わるのか、という痛みを伴います。だからこそ二人の距離には、初恋のまぶしさだけでなく、人と人が本当に向き合うときの怖さがにじみます。

『GO』は、若さの勢いで読ませる一方で、読み終えたあとに「自分を決めているものは何か」と考えさせる作品です。差別やアイデンティティを真正面から扱いながら、説教臭さよりも生命力が前に出る。自由になりたい、広い世界を見たいという衝動を思い出したい人におすすめです。

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