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2026年5月27日 更新

今日は、安堂ホセさんの『DTOPIA』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
恋愛リアリティショーの熱狂を通して、現代の欲望や視線の怖さを読みたい時
刺さるポイント
楽園のような島で進む恋愛競争が、メディア、身体、国境をめぐる違和感を浮かび上がらせる
向いている人
刺激の強い純文学、社会性のある恋愛小説、映像的な物語が気になる人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、安堂ホセさんの『DTOPIA』をご紹介します。

『DTOPIA』は、南の島を舞台にした恋愛リアリティショーを入口に、現代の視線と欲望を鋭く描く小説です。番組では、ひとりの女性をめぐって、国や都市の名前を背負ったような男性たちが競い合います。きらびやかなロケーション、刺激的な駆け引き、視聴者を飽きさせない演出。最初は派手なエンターテインメントのように見えますが、読み進めるほど、そこに映し出されているものが単なる恋愛の勝負ではないことが見えてきます。

この作品の面白さは、テレビや配信番組を見ている時の距離感を、小説の中でゆさぶってくるところにあります。登場人物たちは選ばれ、評価され、消費されます。言葉や仕草は編集され、身体は記号のように扱われ、視聴者の反応もまた物語の一部になっていきます。誰かを応援しているつもりが、いつの間にか誰かを都合よく切り取っているのではないか。そんな不穏な問いが、華やかな画面の奥から立ち上がります。

芥川賞を受けた作品らしく、読み味は軽やかさと過激さが同居しています。恋愛小説として読むこともできますが、むしろ恋愛という形式を使って、性、差別、国籍、メディアの暴力性へ踏み込む作品です。明るい楽園のはずの場所が、読み終えるころにはまったく別の景色に見えてくる。『DTOPIA』は、今の時代のまなざしそのものを問い返す、挑発的な一冊です。

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