店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 失敗や遠回りを抱えた人たちの再出発を、明るく見届けたい時
- 刺さるポイント
- 草野球チームに集まる普通の人びとを通して、人生の打席にもう一度立つ勇気を描く
- 向いている人
- 団地、家族、仲間、野球をめぐる温かな群像劇を読みたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、重松清さんの長編小説『どんまい』をご紹介します。
物語の中心にあるのは、団地の草野球チームです。かつて野球に夢を見た人、家庭や仕事に問題を抱える人、年齢を重ねて思うように動けなくなった人。そんな普通の人びとが、うまくいかない日々を抱えたままグラウンドに集まります。野球は勝つためだけのものではなく、もう一度誰かと声をかけ合うための場所として描かれます。
タイトルの「どんまい」は、軽い励ましの言葉のようでいて、この作品ではもっと深い響きを持っています。失敗しても、取り返しのつかないように見える選択をしても、次の打席は必ず回ってくるかもしれない。自分ひとりでは立ち直れなくても、仲間の声に押されて少しだけ前を向けるかもしれない。そうした希望が、物語のあちこちに置かれています。
重松清さんは、登場人物たちをきれいな成功物語へ急がせません。離婚、介護、夢の挫折、親子のすれ違い。抱えているものはそれぞれに重く、簡単には解決しません。それでも、笑い合える時間や、誰かのために走る瞬間があることで、人はまた暮らしに戻っていける。そんな日常の強さが伝わってきます。
野球に詳しくなくても読みやすい作品です。むしろ、何かに失敗したことがある人、人生の途中で自分の居場所を見失ったことがある人ほど、チームの掛け声が胸に届くはずです。あたたかく、少し不器用で、読後に誰かへ声をかけたくなる一冊です。
Nearby Shelves
近くの棚を見る
近くの棚: 似た読み味の本
Discover More
この本から広げて探す
もっと本を探す
近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。