店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 傷を抱えた二人の出会いを、やさしい青春ミステリーとして読みたい時
- 刺さるポイント
- 左手でピアノを弾く少女の秘密が、主人公自身の再生と重なっていく
- 向いている人
- 恋愛、音楽、ミステリーの余韻を静かに味わいたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、辻堂ゆめさんの青春ミステリー 『僕と彼女の左手』をご紹介します。
主人公は、幼い頃の事故をきっかけに心に傷を抱え、医師になる夢を失った青年です。そんな彼の前に現れるのが、左手だけでピアノを弾く少女、さやこです。天真爛漫に見える彼女は、主人公に家庭教師を頼み、二人は少しずつ距離を縮めていきます。しかし、さやこの明るさの裏には説明のつかない影があり、彼女がなぜ主人公の前に現れたのか、その理由は簡単には見えてきません。
この作品は、恋愛小説のやわらかさとミステリーの精密さを併せ持っています。左手で奏でられる音楽は、失ったものを数えるだけではなく、残されたものをどう受け止めるかという問いにつながっています。主人公もさやこも、それぞれの欠けた部分を抱えながら、相手との時間を通して少しずつ自分自身を見直していきます。
読み進めるほど、最初は青春の出会いに見えた場面の奥に、別の事情が隠れていたことが分かってきます。派手な事件で押し切るタイプではなく、人物の感情と過去の謎が丁寧に重なっていくタイプの物語です。切なさはありますが、読後には暗さだけでなく、前へ進むための静かな明るさが残ります。
音楽を題材にした物語が好きな人、傷ついた人同士が出会って変わっていく話に惹かれる人に向いています。ミステリーの仕掛けを楽しみながら、青春のまぶしさと再生の余韻も味わえる一冊です。
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