店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 夢、テレビ局、アイドルという題材が混ざる、少し幻想的な事件を読みたい時
- 刺さるポイント
- 一つの発砲音と二つの弾痕、過去の恋人の夢、失踪が絡み合い、現実の見え方を揺らす
- 向いている人
- Vシリーズの会話劇と、心理の揺れを含んだミステリーを両方楽しみたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、森博嗣さんの『夢・出逢い・魔性』をご紹介します。
本作は、Vシリーズの一作です。事件の舞台になるのはテレビ局。二十年前に死んだ恋人の夢に苦しめられていたプロデューサーが殺されます。犯行時に聞こえた音は一つだけだったにもかかわらず、遺体には二つの弾痕が残されていました。番組出演のため局に来ていた小鳥遊練無は、事件の鍵を握る少女とともに行方がわからなくなり、現実の殺人と夢の記憶が不安定に重なっていきます。
『夢・出逢い・魔性』では、テレビ局という人工的な場所が、舞台装置のように使われます。人前に出る仕事、映像として切り取られる姿、過去から戻ってくる夢。どれも本当らしく見えながら、どこか作られたものでもあります。紅子たちは事件の仕組みを追いますが、謎は物理的なトリックだけでなく、人が何を信じたいのか、何を忘れられないのかという心理にも関わっていきます。
読者の印象としては、練無の存在感や、Vシリーズの人物たちの掛け合いを楽しむ声が多く見られます。シリーズの空気は軽やかですが、扱われる題材には夢、死、記憶、芸能の虚構があり、読み味はどこか不安定です。事件の真相を追ううちに、タイトルの言葉が示す甘さと危うさが少しずつ見えてきます。
『夢・出逢い・魔性』は、華やかなテレビ局の裏側に、忘れられない夢と論理の謎を置いたミステリーです。Vシリーズの人物劇を楽しみながら、現実と幻想の境目が揺れる物語を読みたい時におすすめです。
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