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よるのばけもの 表紙

よるのばけもの

2026年5月27日 更新

今日は、住野よるさんの小説『よるのばけもの』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
教室の空気や孤独の痛みを、少し暗い青春小説で見つめたい時
刺さるポイント
夜だけ化け物になる主人公の視点が、昼の学校で見えない感情を浮かび上がらせる
向いている人
いじめや傍観者の心理を物語として深く考えたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、住野よるさんの小説『よるのばけもの』をご紹介します。

主人公の「あっちー」は、夜になると突然、化け物の姿になってしまう少年です。ある夜、忘れ物を取りに忍び込んだ学校で、彼はクラスメイトの矢野さつきと出会います。昼の教室ではほとんど言葉を交わさない二人ですが、誰もいない夜の教室では、少しずつ会話が生まれていきます。化け物になった自分を見られてしまったはずなのに、矢野は怯えるだけではなく、彼を一人の相手として受け止めようとします。

この作品が描くのは、化け物になるという非日常の設定を通した、教室の現実です。昼間の学校には、声の大きい人、空気を読んで動く人、傷つけられている人、見て見ぬふりをする人がいます。主人公もまた、自分は直接手を下していないと思いながら、クラスの空気に流されている一人です。夜の姿が化け物であることよりも、昼の自分が何を見過ごしているのかのほうが、読んでいて重く迫ってきます。

矢野さつきとの夜の時間は、逃げ場のない学校生活の中で生まれた小さな避難所のようでもあります。二人は急に何かを解決できるわけではありません。それでも、名前を呼び、言葉を交わし、相手の存在をちゃんと見ることが、少しずつ主人公の内側を変えていきます。怖さや後ろめたさを抱えたまま、自分がどちら側に立つのかを問われるところに、この物語の緊張感があります。

『よるのばけもの』は、青春小説でありながら、明るい成長だけを描く作品ではありません。誰かを傷つける空気に加担してしまう弱さと、それでも一歩踏み出そうとする可能性を、夜の学校という印象的な舞台で見つめる一冊です。

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