店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 仕事に迷う人の背中を、軽やかなエンタメで押してほしい時
- 刺さるポイント
- 小さなレコード会社を立ち上げた女性が、仲間と音楽の可能性を信じて走り出す
- 向いている人
- 音楽業界、お仕事小説、夢を追う大人たちの群像劇を読みたい人
Reading Notes
読みどころメモ
今日は、森沢明夫さんの『東京タワーが消えるまで』をご紹介します。
主人公は、音楽に関わる仕事を自分の手で切り開こうとする佐倉すみれです。彼女はライブハウスで出会ったバンド、ディープシーの才能に強く惹かれます。大きな会社の後ろ盾があるわけではなく、部下も資金も十分ではありません。それでも、彼らの音楽を世に出したいという思いから、小さなレコード会社を立ち上げます。
この作品は、夢を追う若者の物語であると同時に、夢を支える大人の物語でもあります。すみれは、ただ情熱だけで突き進むわけではありません。交渉、宣伝、資金繰り、人間関係。音楽を届けるためには、華やかなステージの裏側で、地味で面倒な仕事をいくつも引き受ける必要があります。その現実を知りながら、それでも前へ進もうとする姿が物語を動かしていきます。
読みどころは、登場人物たちの不器用な明るさです。自信満々に見える人にも迷いがあり、才能のある人にも弱さがあります。好きなものを仕事にすることは、楽しいだけではありません。期待、焦り、嫉妬、すれ違いが生まれます。けれど、音楽が鳴る瞬間だけは、ばらばらだった心が同じ方向を向く。その高揚感が、この作品の大きな魅力です。
タイトルにある東京タワーは、都会で働く人の目印のようにも、夢と現実の距離を測るもののようにも感じられます。毎日の忙しさの中で見えたり見えなくなったりする希望を、すみれたちは音楽を通してつかもうとします。
『東京タワーが消えるまで』は、失敗するかもしれない挑戦を、それでも選ぶ人たちの物語です。もう若くないから、準備が足りないから、どうせ無理だから。そんな言い訳を抱えたままでも、人は走り出せる。仕事と夢の間で迷っている時に、軽やかな勢いをくれる一冊です。
Nearby Shelves
近くの棚を見る
近くの棚: 似た読み味の本
Discover More
この本から広げて探す
もっと本を探す
近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。