店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 夢を追う現場の熱量と、現実的なお金の問題を一緒に読みたい時
- 刺さるポイント
- 赤字劇団を立て直すため、兄弟と劇団員たちが期限付きの勝負に挑む
- 向いている人
- 演劇、青春群像、仕事としての創作に惹かれる人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、有川浩さんの『シアター!』をご紹介します。
『シアター!』の舞台は、小劇団シアターフラッグです。舞台にかける情熱はあるものの、劇団は大きな赤字を抱え、解散寸前の状態に追い込まれています。主宰の春川巧は、兄の司に助けを求めますが、司が出した条件はかなり厳しいものでした。限られた期間で借金を返せなければ、劇団は終わり。夢だけでは続けられない現実が、物語の最初から突きつけられます。
この作品のおもしろさは、演劇への愛と経営の現実が真正面からぶつかるところにあります。劇団員たちは個性が強く、舞台に立つことへの思いもそれぞれ違います。けれど、客席を埋めるには、気持ちだけでなくお金の計算、宣伝、稽古の質、チームとしての覚悟が必要になります。兄の司は冷たく見えるほど現実的ですが、その厳しさが劇団を本気にさせていきます。
有川浩さんらしい軽快な会話と、人物同士の距離が少しずつ変わっていく流れが読みやすい一冊です。夢を追う人たちをただ美しく描くだけでなく、好きなことを続けるために何を引き受けるのかを問いかけてきます。演劇という華やかな題材の裏に、創作を仕事として成立させる難しさが見えるのも印象的です。
『シアター!』は、青春群像劇やお仕事小説が好きな人に向いています。舞台に立つ人、支える人、現実を突きつける人がぶつかりながら、ひとつの劇団を前に進めようとする熱量を楽しめる作品です。
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