店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 失敗した人生の先に、それでも誰かを救おうとする物語を読みたい時
- 刺さるポイント
- すべてを失った男が、母を救うため百マイルの旅へ踏み出す
- 向いている人
- 親子の絆、再生、切ない恋模様が重なる人情長編が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、浅田次郎さんの長編小説『天国までの百マイル』をご紹介します。
主人公は、会社を潰し、金も家族も失ってしまった四十歳の男です。人生の失敗を背負い、周囲からも見放されかけている彼の前に、母の重い病という現実が立ちはだかります。母を救うには、遠く離れた病院にいる名医のもとへたどり着くしかない。彼は、母を車に乗せて百マイルの道のりへ向かいます。
この旅は、単なる移動ではありません。主人公にとっては、逃げ続けてきた自分の弱さと向き合う時間でもあります。親に何をしてもらったのか。自分は何を返せなかったのか。事業の失敗や家族との断絶、過去の恋の痛みが、母を救いたいという一つの願いに重なっていきます。
読みどころは、主人公が立派な人物として描かれていないところです。だらしなさも、情けなさも、身勝手さもある。それでも、最後に誰かのために必死になれる人間の弱さと強さが、この物語を支えています。母への思いだけでなく、男女の哀しみや、周囲の人々の小さな優しさも胸に残ります。
『天国までの百マイル』は、人生をやり直すというより、壊れてしまった人生の中からまだ残っている愛情を見つける物語です。親子の絆をまっすぐに描いた、涙とぬくもりのある一冊です。
Nearby Shelves
近くの棚を見る
近くの棚: 似た読み味の本
Discover More