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スイッチを押すとき 表紙

スイッチを押すとき

2026年5月27日 更新

今日は、山田悠介さんの『スイッチを押すとき』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
極限状況の中で、生きる理由を問い直す物語を読みたい時
刺さるポイント
命を絶つスイッチを持たされた子どもたちと監視員の出会いが、冷たい実験を人間の物語へ変えていく
向いている人
社会派サスペンス、切ない青春、重いテーマの感動作が好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、山田悠介さんの『スイッチを押すとき』をご紹介します。

物語の中心にあるのは、青少年の自殺を防ぐという名目で行われる非人道的な実験です。施設に閉じ込められた子どもたちは、自分の命を終わらせることができるスイッチを持たされています。過酷な環境の中で、多くの子どもが耐えきれずにスイッチを押していく一方、七年もの間それを押さずに生き続けている四人がいました。監視員の南洋平は、彼らと向き合ううちに、任務として見ていた存在を一人の人間として受け止めるようになります。

この作品は、設定だけを見ると強烈なサスペンスですが、読み進めるほど焦点は「なぜ生きるのか」という問いへ移っていきます。子どもたちが抱えている願いは、大げさな夢ではなく、誰かに会いたい、約束を果たしたい、自分の気持ちを伝えたいという切実なものです。その小さな願いがあるからこそ、彼らは絶望の中で踏みとどまっています。

読後感を支えているのは、怒りや恐怖だけではありません。大人が作った残酷な仕組みに巻き込まれた子どもたちの姿を通して、命の重さを言葉ではなく行動で見せていきます。洋平もまた、ただ見張る側ではいられなくなり、彼らを外の世界へ連れ出そうとします。その決断が物語に緊張と温度を与えています。

『スイッチを押すとき』は、山田悠介作品の中でも、感情に深く踏み込む一冊です。突飛な設定の奥に、守りたい人がいること、生きる理由は他人からは小さく見えるものでも本人にはかけがえがないことが描かれています。重いテーマを含みますが、最後まで読ませる力のある作品です。

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