店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 本を作る人たちの熱量と悔しさを浴びたい時
- 刺さるポイント
- 崖っぷちの編集者と作家が、出版不況の中で物語の力を信じて勝負を仕掛ける
- 向いている人
- お仕事小説、出版業界もの、熱いバディものが好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、早見和真さんの『小説王』をご紹介します。
主人公の俊太郎は、大手出版社で文芸編集者として働いています。幼なじみの豊隆は、鮮烈なデビューを飾ったものの、その後は思うように結果を出せずにいる作家です。いつか一緒に仕事をしようと約束していた二人ですが、編集部の事情や出版不況の波に押され、その約束はなかなか形になりません。
本作が描くのは、小説を売ることが難しくなった時代の、作り手側の戦いです。文芸誌の存続、売れない作家への冷たい視線、数字を求められる編集者の苦しさ。物語を信じたい気持ちだけでは仕事は続かない。けれども、数字だけで本の価値を決めたくない。そんな矛盾の中で、俊太郎と豊隆は大きな勝負に出ます。
二人の関係は、単なる友情だけではありません。互いの才能を信じているからこそ、遠慮のない怒りや失望もぶつかります。作家は何を書くのか。編集者は何を支えるのか。小説は誰のためにあるのか。問いは熱く、同時にかなり現実的です。
『小説王』は、本好きにとっては少し耳が痛く、同時に胸が熱くなるお仕事小説です。出版業界の裏側を舞台にしながら、最後に残るのは、誰かの人生を動かす物語をまだ信じたいという気持ちです。本を読む人にも、本を届ける仕事に関心がある人にもすすめたい一冊です。
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