店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 妖怪ものを怖さよりも親しみやすさで楽しみたいとき
- 刺さるポイント
- 病弱な若だんなと妖たちが、江戸の事件をやさしく賑やかに解いていく
- 向いている人
- 時代小説、軽やかな謎解き、長く読めるシリーズの入口を探している人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、 畠中恵さんの作品、 『しゃばけ』 についてお話しします。
この作品は、江戸の大店、長崎屋の若だんなである一太郎を主人公にした時代ファンタジーです。一太郎は体が弱く、周囲から大切に守られて暮らしています。けれど彼のそばには、普通の人には見えない妖たちがいます。兄やのように世話を焼く者、にぎやかに騒ぐ者、困った時に力を貸してくれる者。彼らとの関係が、物語にあたたかさとユーモアを生んでいます。
物語は、若だんなが夜道で人殺しを目撃するところから動き出します。病弱な身では自由に走り回ることもできませんが、一太郎には人を見る目と、妖たちの助けがあります。江戸の町で起こる事件を追いながら、人間の欲、家族の情、商家の事情が少しずつ見えてきます。
読みどころは、怖い妖怪譚ではなく、やさしい謎解きとして楽しめるところです。妖たちは不思議な存在ですが、どこか人間くさく、若だんなを心配する様子には愛嬌があります。一方で、事件の奥には人の弱さや寂しさもあり、軽やかな読み口の中にほろ苦さが混じります。
『しゃばけ』は、シリーズの入口としても読みやすい一冊です。江戸の町の空気、妖たちとの掛け合い、若だんなの賢さと頼りなさがほどよくまとまり、読後には長崎屋の面々にまた会いたくなります。時代小説に少し苦手意識がある人にも、ファンタジーやミステリーの感覚で入りやすい作品です。
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