店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- うまくいかない毎日に、少し笑えて前向きになれる物語を入れたい時
- 刺さるポイント
- 突然回ってきた神様当番が、五人のこじれた心や関係をゆるやかにほどいていく
- 向いている人
- 日常の悩みをファンタジーの軽やかさで描く連作短編が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、青山美智子さんの連作小説『ただいま神様当番』をご紹介します。
ある朝、目を覚ますと腕に大きく「神様当番」と書かれている。そんな奇妙な出来事から、この物語は始まります。選ばれた人の前に現れるのは、神様を名乗るおじいさんです。神々しい存在というより、どこか人間くさく、わがままで、放っておけない雰囲気をまとっています。お願いをかなえないと当番は終わらないらしく、登場人物たちは戸惑いながらも、神様の気まぐれなリクエストに付き合うことになります。
当番になるのは、幸せになる順番を待つことに疲れた会社員、弟への苛立ちを抱える小学生、SNSの中の自分を取り繕う高校生、日本語の乱れに悩む外国人教師、部下を受け入れられない社長などです。悩みの形はそれぞれ違いますが、共通しているのは、自分の見方に少し閉じ込められていることです。神様のお願いは一見すると迷惑で無意味に思えますが、それに振り回されるうちに、彼らは他人の気持ちや自分の本音に気づいていきます。
この作品の面白さは、ファンタジーの設定が軽やかなユーモアとして働きながら、描かれる感情は身近で切実なところにあります。正しさを押しつけるのではなく、少し笑ってしまうような出来事を通して、人との関係を見直すきっかけを渡してくれます。
『ただいま神様当番』は、気持ちが固くなっている時に読みたい一冊です。思い通りにならない出来事の中にも、見方を変えれば小さな贈り物が隠れている。そんな前向きな余韻が残る物語です。
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