店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 仕事や日常に疲れた心を、旅の空気でほどく短編集を読みたい時
- 刺さるポイント
- 思いがけない旅先での出会いが、前だけを見て走ってきた女性たちを変えていく
- 向いている人
- 旅の物語、女性の再生、爽やかな読後感の短編集が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、原田マハさんの『さいはての彼女』をご紹介します。
この作品は、旅と再生をテーマにした短編集です。表題作に登場するのは、仕事に全力を注いできた若い女性経営者です。成果を出し、会社を大きくしてきた一方で、恋も人間関係もすり減り、心は限界に近づいています。そんな時、手配された旅の行き先が思いがけず変わってしまい、彼女は予定していなかった北の土地へ向かうことになります。
旅先で彼女が出会うのは、特別な奇跡というより、風景、人、言葉、そして自分の中に置き去りにしてきた気持ちです。頑張り続けることだけが強さではない。誰かと出会い、知らない土地の空気を吸い、ほんの少し立ち止まることで、閉じていた心に風が通っていきます。収録されたほかの物語にも、旅を通して自分の歩幅を取り戻す人々の姿が描かれます。
読み味は明るく爽やかですが、ただ軽いだけではありません。働くこと、孤独を抱えること、自分で引いてしまった境界線を越えること。そうしたテーマが、押しつけがましくない形で物語の底に流れています。読者の中にも、どこか遠くへ行きたい、今の自分を少し変えたいという気持ちが自然に湧いてくるかもしれません。
『さいはての彼女』は、旅に出る余裕がない時にも、心だけを遠くへ連れ出してくれる一冊です。疲れている時、日常の景色を少し違う角度から見直したい時に、そっと手に取りたくなる物語です。
Nearby Shelves
近くの棚を見る
近くの棚: 似た読み味の本
この本を話しているトーク棚
Discover More