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リカバリー・カバヒコ 表紙

リカバリー・カバヒコ

2026年5月27日 更新

今日は、青山美智子さんの連作小説『リカバリー・カバヒコ』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
心や体の小さな不調を抱えた人たちが、少しずつ回復していく物語を読みたい時
刺さるポイント
公園の古いカバの遊具を中心に、マンションの住人たちの悩みがやさしく響き合う
向いている人
本屋大賞ノミネート作の温かな群像劇や、再生を描く連作短編が好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、青山美智子さんの連作小説『リカバリー・カバヒコ』をご紹介します。

舞台は、新築分譲マンション「アドヴァンス・ヒル」と、その近くにある日の出公園です。公園には古びたカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じところを触ると回復する、という都市伝説があります。人呼んで、リカバリー・カバヒコ。少し笑ってしまうような名前の遊具ですが、そこに集まる人たちの悩みはどれも切実です。

登場するのは、成績が急に落ちて自信をなくした高校生、出産後に社会とのつながりを見失った女性、駅伝に気持ちが向かない小学生、ストレスで休職している人、母との関係をこじらせたままの編集者などです。誰もが、はっきり病名をつけられるわけではない痛みや、言葉にしづらい不安を抱えています。カバヒコは奇跡を起こして何もかも治してくれる存在ではありません。けれど、触れて、話しかけて、自分の弱さを認める時間が、人をほんの少し回復へ向かわせます。

この作品の温かさは、悩みを特別なものとして扱いすぎないところにあります。人は誰でも、頭や口や足や心のどこかに、うまく動かない部分を抱えている。物語はその痛みを否定せず、誰かとすれ違う日常の中で、少しずつほぐれていく様子を丁寧に描きます。

『リカバリー・カバヒコ』は、頑張り続けることに疲れた時に読みたい一冊です。完全に元通りになることだけが回復ではなく、いまの自分でまた歩き出せるようになることも回復なのだと、静かに教えてくれる物語です。

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