店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 豪華客船という閉じた舞台で、消失事件と人間関係の駆け引きを読みたい時
- 刺さるポイント
- 航海中の船内で起きる乗客の消失と、天才画家の自画像をめぐる思惑が交錯する
- 向いている人
- Vシリーズのロマンティックな空気と、密室的な不可能性の両方を味わいたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、森博嗣さんの『恋恋蓮歩の演習』をご紹介します。
本作は、Vシリーズの長編で、舞台は世界一周中の豪華客船ヒミコ号です。船には、天才画家、関根朔太の自画像をめぐる思惑が持ち込まれています。仕事として乗船した保呂草と紫子、そして別の形で船に入り込んだ紅子と練無。海の上にある船は、それ自体が逃げ場の少ない閉じた空間です。その中で男性客が奇妙に姿を消し、事件は航海という特別な時間の中で深まっていきます。
『恋恋蓮歩の演習』は、豪華客船の華やかさと、完全密室に近い不自由さを同時に持つ作品です。船上では人の動きが限られ、誰がどこにいたのかが重要になります。けれど、この物語ではそれだけでなく、盗み、絵画、恋愛めいた駆け引き、人物たちの秘密が絡み合います。タイトルの響きどおり、どこかロマンティックで、同時にだまし合いの気配を帯びています。
読者の印象としては、シリーズの登場人物たちが船内で交差する楽しさや、保呂草と紫子、紅子と練無の関係性に注目する声が多く見られます。事件の謎はもちろんありますが、誰が何を狙い、誰がどこまで本心を見せているのかを読む面白さも大きい作品です。船という限定空間が、人物同士の距離を自然に近づけていきます。
『恋恋蓮歩の演習』は、閉ざされた船上で起きる消失事件を、軽やかな会話と知的な駆け引きで追うミステリーです。Vシリーズの人物たちの魅力を、少し贅沢な舞台で味わいたい時におすすめです。
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